WORKS

街並み形成に寄与するエントランス

アクティ横浜山下町

本計画は、UR都市機構が2006年に建設した住商複合建物の修繕プログラムである。ランドスケープデザインでは、敷地南側に接道する住宅エントランス部を重点的に改修し、当該施設のバリューアップを目指した。このあたりは明治から昭和初期にかけて旧外国人居留地であったため、街のあちこちにその遺構が点在している。敷地南側の通りの名称である「シルク通り」は、旧居留地のなかで最も古くから存在していた絹糸輸出商社の所在地にちなんだもので、石造りの腰壁に煉瓦が積まれた外壁の遺構が敷地の通り向かいに残っている。その素材の構成に着想を得て、エントランス前に新たに設けた囲壁と舗装のデザインに昇華している。建築設計が担当した囲壁は、レンガとガラスを用いたもので、歴史性の踏襲と現代のかたちをハイブリッドした構成で表現されている。ランドスケープでは建物形状をよりどころにして既存の石張舗装を一部撤去し、シルクの平織りの網目をモチーフにしたパターンで構成したレンガ舗装を新設した。また、建築1FLと南側敷地境界部での最大40cm程度の高低差は、レンガ舗装にあわせて既存のストーンウォールの延長を微調整して納めている。ストーンウォールで囲まれたエリアには植栽帯を設け、サルスベリの既存樹による列植を活かしつつ、葉色と花色による四季の彩り豊かな低木地被の混植を展開し、沿道の高層建物による影響で日照時間が限られる南側の通りに差し色を加えている。レンガの風合いと季節の植栽が通りに馴染み、行き交う人々に末永く親しまれる空間となることに期待したい。

竣工 2023年3月
所在地 神奈川県横浜市
事業主 UR都市機構
敷地面積 1867.58m2
建築 日東設計
種別 住宅